ピルを毎日継続して服用すると、体内の女性ホルモンバランスが調節されるため、避妊はもちろんのこと、生理痛の緩和、PMSの解消など、女性にとってうれしい効果に期待できます。
ただ、一言でピルと言ってもその種類は様々です。
ピルを飲み始めようかと考えている方の中には、「一体どんな種類を選べばいいのか分からない」と悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、この記事ではオンライン処方サービスで人気のヤーズフレックス・マーベロン・トリキュラーを中心に取り扱いをしているピルの種類や成分を詳しくご紹介します。
おすすめのオンラインピル処方サービスも掲載しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
その他のピルのオンライン処方サービスは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ピルは大きく分けて6種類!
ピルと一言で言っても実は種類は様々で、それぞれの症状によって用途が異なります。
どのピルにも、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンが配合されています。
2つの女性ホルモンの配合量や割合の違い、配合されている黄体ホルモンの種類の違い、さらには何日内服するかの違いなどにより種類が分かれていますが、大きく分けると6つに分類されています。
ピルの種類 | 主な用途 |
---|---|
低用量ピル | 避妊目的や生理痛・PMS改善に用いられる |
超低用量ピル | 生理痛・PMS改善に用いられる |
中容量ピル | 月経移動や緊急避妊に用いられる |
高用量ピル | 避妊目的や生理痛・PMS改善に用いられる (現在ではほぼ使われていない) |
ミニピル | 避妊目的や生理痛・PMS改善に用いられる |
アフターピル | 避妊に失敗した際の緊急用として使用される |
「高用量ピル」は女性ホルモンの配合量が多く、副作用が強いことから、現在はほとんどのクリニックで取り扱いがされていません。
そのため、ピルを購入するときは「低用量ピル」「超低用量ピル」「中容量ピル」「ミニピル」「アフターピル」の5種類の中から選ぶことになります。
低用量ピルとは?
低用量ピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン) と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが含まれているピルのうち、エストロゲンの配合量が50㎍未満のものを指します。
中容量ピルや高容量ピルよりエストロゲンの配合量が少ないため、毎日継続して服用する必要がありますが、副作用のリスクが低いというのが特徴です。
低用量ピルは、”世代(せだい)”と”相性(そうせい)”いう分類がされています。
まず、世代というのは、ピルに配合されている黄体ホルモン薬の種類によって分類がされています。
世代 | 黄体ホルモン薬の種類 | 特徴 |
---|---|---|
第一世代 | ノルエチステロン | 出血量が減りやすい |
第二世代 | レボノルゲストレル | 不正出血が起こりにくい |
第三世代 | デソゲストレル | ニキビ治療や多毛症の改善に効果的 |
ちなみに、変わるのは黄体ホルモンのみで、卵胞ホルモンはどの世代も共通して「エチニルエストラジオール」という薬が使われています。
さらに低用量ピルには、世代による分類の他に”相性(そうせい)” という分類もされます。
この相性というのは、ピル1シートあたりの黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合量について示すものです。
相性 | 特徴 |
---|---|
一相性 | 女性ホルモン配合量が変わらない |
二相性 | 女性ホルモン配合量が2段階に分かれている |
三相性 | 女性ホルモン配合量が3段階に分かれている |
段階が高い方が、体内のホルモン量がより自然な状態に近いため、不正出血が起こりにくいと言われています。
避妊効果や生理痛・PMS改善効果については、どの世代でも同様の効果が期待できます。
低容量ピルの21錠タイプと28錠タイプ
低用量ピルは1シートで1ヶ月分になっていて、1シートあたりの錠剤の数が21錠のものと28錠のものに分かれます。
21錠タイプは、毎日1錠ずつ21日間服用し、その後7日間服用をやめます。
28錠タイプのシートには偽薬が7錠入っており、偽薬を含めて毎日1錠ずつ、休止期間なしで服用します。
この偽薬というのは砂糖のみでできており、毎日服用する習慣をつけて、飲み忘れを防ぐためのものです。
休薬期間はある21錠の方が飲み忘れをしやすく、28錠の方は偽薬を含めて連続で服用になるため飲み忘れがしにくいと言われています。
低容量ピルの飲み方の違い「デイワンスタートとサンデースタート」
低用量ピルは、毎日ほぼ一定の時刻(例えば就寝前など)に1日1錠を服用します。
いつでも飲み始めることができますが、選ぶピルの種類によっては「Day1スタート」あるいは「Sunday(サンデー)スタート」という飲み始めの方法があります。
生理初日から飲み始める「デイワンスタート」
「デイワン(Day1)スタート」とは、生理初日(生理が始まってから24時間以内)に飲み始める方法です。
生理初日から飲み始められなくても、生理5日目までに飲み始めれば避妊効果を保つことができると言われていますが、7日間連続で服用し体内のホルモンバランスが調節されてくるまでは、しっかりと避妊することが推奨されています。
週末に生理が重ならない「Sunday(サンデー)スタート」
「Sunday(サンデー)スタート」とは、生理が始まった後の”最初の日曜日”に飲み始める方法です。
月〜土曜日に生理が始まった場合はその次の日曜日に、日曜日に生理が始まった場合はその日から服用を始めましょう。サンデースタートのピルの場合、ピルを服用することによって起こる消退出血が、服用から4週目の月曜日ぐらいに始まり金曜日ぐらいまでにはほぼ終わると言われています。
ですので、週末と消退出血が重ならないため、旅行など休日のイベントを楽しみたいという方にお勧めされています。
「Day1スタート」でも「Sunday(サンデー)スタート」でも消退出血が起こります。
消退出血(しょうたいしゅっけつ)とは、血中のエストロゲンとプロゲステロンが減少することにより子宮内膜が剥がれ落ちて出血することです。
出血量は生理よりも少なく、生理のような鮮血ではなく、茶色っぽいおりもののような状態です。
月経や排卵直後、低容量ピルの内服、アフターピルの内服時にも起こります。
低用量ピルの種類
ルナベルLD
世代 | 第一世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠 |
価格 | 1,500~2,000円ほど(3割負担) |
主な用途 | PMS・子宮内膜症の治療など |
主な副作用 | 不正出血・めまい・頭痛など |
ルナベルLDは第一世代・一相性・21錠タイプの低用量ピルで、2008年に国内で承認を受けています。
エストロゲンが少ないため、避妊目的では処方されませんが、生理痛やPMSや子宮内膜症の治療に有効とされています。
治療目的の場合は保険適応がされるため、その際の価格の相場は、3割負担の場合1,500~2,000円ほどです。
フリウェルLD
世代 | 第一世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠 |
価格 | 1,000~1,500円ほど(3割負担) |
主な用途 | PMS・子宮内膜症の治療など |
主な副作用 | 不正性器出血 ・乳房不快感 ・頭痛など |
フリウェルLDは第一世代・一相性・21錠タイプの低用量ピルで、ルナベルLDのジェネリック医薬品です。
そのため、ルナベルLDと同じく、 PMSや子宮内膜症の治療に有効とされています。
また、ジェネリック医薬品のため、価格相場が1,000~1,500円ほどと、ルナベルLDより低価格なのが特徴です。
Q.ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック医薬品は、新薬と同じ有効成分を同じ量使用して作られています。 新薬との違いは、有効成分以外の添加剤やお薬の大きさ・形状などです。 添加剤は、国に認められたものだけを使用することが定められていて、お薬の効き目や安全性に影響はありません。
引用元:https://www.sawai.co.jp/medicine/generic/
シンフェーズ
世代 | 第一世代 |
相性 | 三相性 |
1シートの錠数 | 28錠 |
価格 | 2,100~2,500円ほど |
主な用途 | 避妊など |
主な副作用 | 不正出血・頭痛・めまいなど |
シンフェーズは第一世代・三相性・28錠タイプの低用量ピルで、主に避妊目的で使用されます。
シンフェーズの特徴的は、先ほどご紹介した"サンデースタート"という服用方法です。
ピルを服用することによって起こる消退出血が休日に被らないため、休日のイベントを出血を気にせず楽しみたいという方にお勧めされています。
ただし、主な用途が避妊のため保険が適用できないため、価格相場は2,100~2,500円ほどと、第一世代の中では少し高く設定されています。
トリキュラー
世代 | 第二世代 |
相性 | 三相性 |
1シートの錠数 | 21錠・28錠 |
価格 | 2,200~2,500円ほど |
主な用途 | 避妊・PMS改善・生理痛緩和など |
主な副作用 | 頭痛・吐き気・乳房の張りなど |
トリキュラーは第二世代・三相性・21/28錠タイプの低用量ピルです。
高い避妊効果を得られるので、主に避妊目的で使用されますが、PMSの改善や生理痛の緩和にも期待できます。
ピル内のホルモン量が自然なものに近づけられているため、副作用があらわれにくいのが特徴的です。
そのため、ピル初心者の方などにもおすすめされています。価格の相場は2,200~2,500円ほどとなっています。
アンジュ
世代 | 第二世代 |
相性 | 三相性 |
1シートの錠数 | 21錠・28錠 |
価格 | 2,200~2,500円ほど |
主な用途 | 避妊・PMS改善・生理痛緩和など |
主な副作用 | 頭痛・吐き気・乳房の張りなど |
アンジュは第二世代・三相性・21/28錠タイプの低用量ピルで、効果や副作用はトリキュラーとほぼ同じです。
価格の相場は2,200~2,500円ほどで、こちらもトリキュラーと違いはありません。違いは薬剤名と製薬会社だけとなっています。
ラベルフィーユ
世代 | 第二世代 |
相性 | 三相性 |
1シートの錠数 | 21錠・28錠 |
価格 | 2,000円前後 |
主な用途 | 避妊・PMS改善・生理痛緩和など |
主な副作用 | 頭痛・吐き気・乳房の張りなど |
ラベルフィーユは第二世代・三相性・21/28錠タイプの低用量ピルで、トリキュラーのジェネリック医薬品です。
ですので、こちらも高い避妊効果やPMS改善などに期待できます。
ジェネリック医薬品なので、価格相場は2000円前後と、少し安く設定されています。
マーベロン
世代 | 第三世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠・28錠 |
価格 | 2,500円前後 |
主な用途 | 避妊・PMS改善・ニキビ改善など |
主な副作用 | 不正出血・頭痛・吐き気など |
マーベロンは第三世代・一相性・21/28錠タイプの低用量ピルです。
避妊やPMS改善などに有効なだけでなく、月経困難症や過多月経といった生理トラブルの改善にも期待できます。
また、男性ホルモンの作用を抑制する効果もあるので、生理前後の肌トラブル(ニキビの改善)にも効果的です。価格相場は2,500円前後となっています。
ファボワール
世代 | 第三世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠・28錠 |
価格 | 2,000円前後 |
主な用途 | 避妊・PMS改善・ニキビ改善など |
主な副作用 | 不正出血・頭痛・吐き気など |
ファボワールは第三世代・一相性・21/28錠タイプの低用量ピルで、マーベロンのジェネリック医薬品です。
効果としては、マーベロンと同様に、高い避妊効果、PMS改善、生理トラブル改善、そしてニキビの改善などがあります。
ジェネリック医薬品のため、価格相場は2,000円前後と、マーベロンよりも少しお求めやすくなっています。
超低用量ピルとは?
超低用量ピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン) と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが含まれているピルのうち、エストロゲンの配合量が30㎍未満のものを指します。
他のピルと比べて女性ホルモンの含有量が少ないので、副作用が軽減されるのが大きな特徴ですが、避妊目的には使用されません。
主な効果としては、子宮内膜症や月経困難症、生理不順やPMSにお悩みの方に処方されています。
どうして超低用量ピルには避妊効果がないの?
超低用量ピルは、先ほどご説明したように低用量ピルに比べてエストロゲンの配合量が少なくなっています。
そのため、子宮内膜症や月経困難症、生理不順やPMSの改善には効果があると考えられていますが、避妊薬としての効果は不十分であり、避妊目的で使用することはできません。
ですが、あくまで避妊効果が低用量ピルよりも低いというだけであって、結論としては、超低用量ピルにも避妊効果はあります。
ただし、あくまで子宮内膜症や月経困難症などの治療目的に使用される『月経困難症治療薬』として認可されている薬なので、避妊目的でピルを服用する場合は、低用量ピルを選ぶことが推奨されています。
超低用量ピルの分類
超低用量ピルは、広義では低用量ピルの一部とみなされているので、低用量ピル同様に世代・相性・1シートの錠数によって分類されています。
このうち、相性と1シートの錠数については低用量ピルと全く同じ分類ですが、超低用量ピルの場合は世代が4種類に分類されます。
世代 | 黄体ホルモン薬の種類 | 特徴 |
---|---|---|
第一世代 | ノルエチステロン | 出血量が減りやすい |
第二世代 | レボノルゲストレル | 不正出血が起こりにくい |
第三世代 | デソゲストレル | ニキビ治療や多毛症の改善に効果的 |
第四世代 | ドロスピレノン | 月経困難症や子宮内膜症に効果的で副作用が少ない |
第四世代はドロスピレノンという黄体ホルモン薬を使用していて、超低用量ピルの中でも特に副作用が少ないというのが大きな特徴です。
超低用量ピルの種類
ルナベルULD
世代 | 第一世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠 |
価格 | 1,500円前後(3割負担) |
主な用途 | 子宮内膜症・月経困難症の治療など |
主な副作用 | 頭痛・吐き気・むくみなど |
ルナベルULD は第一世代・一相性・21錠タイプの超低用量ピルで、低用量ピルのルナベルLDの黄体ホルモン量をより少なくしたものです。
そのため、ルナベルLDよりも副作用が起こりにくいとされています。
ルナベルULDは、避妊目的では処方されず、子宮内膜症・月経困難症などの治療薬として処方されます。そのため、保険が適用され、価格相場は1,500円前後となっています。
フリウェルULD
世代 | 第一世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠 |
価格 | 1,000円前後(3割負担) |
主な用途 | 子宮内膜症・月経困難症の治療など |
主な副作用 | 頭痛・吐き気・むくみなど |
ルナベルULD は第一世代・一相性・21錠タイプの超低用量ピルで、ルナベルULDのジェネリック医薬品です。
そのため、ルナベルULDと同様に、子宮内膜症・月経困難症などの治療薬として処方されます。価格相場は保険適応のため3割負担の1,000円前後とルナベルULDよりもお求めやすくなっています。
ジェミーナ
世代 | 第二世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 21錠・28錠 |
価格 | 2,000~3,000円ほど(3割負担) |
主な用途 | 月経困難症の治療など |
主な副作用 | 不正出血・頭痛・胸の痛みなど |
ジェミーナは第二世代・一相性・21/28錠タイプの超低用量ピルです。
女性ホルモンを補充し、卵胞の成熟や排卵を抑えることができるので、月経困難症などの治療に効果的と言われています。
また、血栓症のリスクが低い成分を使用しているというのも特徴の一つです。
ジェミーナも避妊目的では処方されないため、保険が適用されます。保険適用後の価格相場は2,000~3,000円ほどとなっています。
ヤーズ
世代 | 第四世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 28錠(うち偽薬4錠) |
価格 | 2,000前後(3割負担) |
主な用途 | 月経困難症の治療など |
主な副作用 | 不正出血 ・吐き気・頭痛 など |
ヤーズは第四世代・一相性・28錠タイプの超低用量ピルです。
28錠タイプですが偽薬が4錠で、24日間服薬し、4日間偽薬を飲むというのが特徴です。
21錠タイプのものは休薬期間が入るため、飲み忘れが起こりやすいのですが、28錠タイプの場合偽薬を含みずっと飲み続けるタイプですので、ピルの服用が習慣化しやすく飲み忘れを防ぐことができます。
ヤーズは月経困難症や子宮内膜症の治療薬としての高い効果がありながら、副作用が起こりにくいというメリットがあります。
また、ヤーズには利尿作用があるため、むくみにくいというのも特徴的です。
避妊目的で使われることはないため、保険が適用し、価格相場は2,000前後となっています。
ヤーズフレックス
世代 | 第四世代 |
相性 | 一相性 |
1シートの錠数 | 28錠 |
価格 | 2,000~2,500円ほど(3割負担) |
主な用途 | 月経困難症の治療など |
主な副作用 | 不正出血 ・吐き気・頭痛 など |
ヤーズフレックスは第四世代・一相性・28錠タイプの超低用量ピルで、ヤーズと同じ特徴があります。
ヤーズフレックスの最大の特徴は、日本初の長期連続服用ができるピルということです。
他の低用量ピル・超低用量ピルのように、28日周期で服用することも可能ですが、ヤーズフレックスの場合は、最大で120日間連続して服用することもできます。
服用している間は基本的に月経が来ないので、服用を連続することで月経の頻度を減らすことができるというのが大きな魅力です。
ヤーズフレックスもヤーズ同様保険が適用し、価格相場は2,000~2,500円ほどとなっています。
中用量ピル(アフターピル)
中用量ピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン) と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが含まれているピルのうち、エストロゲンの配合量がちょうど50㎍のものを指します。
低用量ピルや超低用量ピルと比べて、女性ホルモンの配合量が多いため副作用のリスクが高いと言われていますが、薬の飲み忘れの影響が低用量ピルや超低用量ピルよりも少ないというメリットがあります。
中用量ピルと低用量ピルの違いは?
現在、避妊や月経トラブルを解消するためには低用量ピルを用いるのが主流です。
中用量ピルが用いられるのは、緊急避妊や月経周期をずらす目的が一般的です。
特に緊急避妊目的で服用する場合は、性行為後72時間以内に中用量ピルを服用すると80%以上の避妊に期待できると言われています。
ただし、中用量ピルのエストロゲンの配合量は低用量ピルよりも多く、副作用のリスクが高まるため、継続的な避妊をしたい場合は低用量ピルを服用することが推奨されています。
また、中用量の場合、アフターピルとしても処方されます。アフターピルは、低用量ピルや超低用量ピルと違い性行為後の緊急避妊薬として服用するピルです。
アフターピル内のホルモン量に正式な基準は定められていませんが、現在クリニックで取り扱っているほとんどのアフターピルは、中用量ピル(エストロゲンの配合量がちょうど50㎍)に分類されています。
ですので、中用量ピルの種類の中では、アフターピルとして処方されるものもあります。
中用量ピル(アフターピル)の種類
プラノバール
黄体ホルモン成分 | ノルゲストレル |
1シートの錠数 | 21錠 |
価格 | 4,500~5,500円ほど |
主な用途 | 機能性子宮出血 ・月経困難症の治療など |
主な副作用 | 吐き気・嘔吐・食欲不振など |
プラノバールは月経困難症や月経周期異常改善などの治療に用いられる中容量ピルです。
そのほかに緊急避妊効果にも期待できますが、国内ではプラノバールは緊急避妊薬としては認可されていないため、アフターピルとして処方されることはありません。
機能性子宮出血の治療で服用する場合は、1日1錠を7~10日間継続して飲むのが一般的です。また、月経困難症や子宮内膜症の治療で服用する場合は、月経の始まりを第1日目として、5日目より1日1錠を約3週間続けて服用します。
価格は4,500~5,500円ほどですが、場合によっては保険が適用され、この価格よりも低くなることもあります。
ノルレボ
黄体ホルモン成分 | レボノルゲストレル |
1シートの錠数 | 1錠 |
価格 | 9,000~16,000円ほど |
主な用途 | 緊急避妊など |
主な副作用 | 吐き気・嘔吐・食欲不振など |
ノルレボは緊急避妊効果が高いことから、緊急避妊薬(アフターピル)として処方される中容量ピルです。
その避妊効果の高さは厚生労働省と世界保健機関が認めており、性行為後72時間以内にノルレボを服用することで、妊娠率を1.1%ほどまで下げることができます。
ただし、保険適用がされないため価格相場は9,000~16,000円ほどとかなり高くなっています。
レボノルゲストレル
黄体ホルモン成分 | レボノルゲストレル |
1シートの錠数 | 1錠 |
価格 | 9,000円前後 |
主な用途 | 緊急避妊など |
主な副作用 | 吐き気・嘔吐・食欲不振など |
レボノルゲストレルは、ノルレボのジェネリック医薬品です。
そのため、ノルレボと同様に、性行為後72時間以内に服用することで、高い避妊効果に期待できます。
ジェネリック医薬品なので、価格の相場は9,000円前後と、ノルレボよりお求めやすくなっています。
エラ(エラワン)
黄体ホルモン成分 | ウリプリスタール酢酸エステル |
1シートの錠数 | 1錠 |
価格 | 9,000~16,000円ほど |
主な用途 | 緊急避妊など |
主な副作用 | 吐き気・嘔吐・食欲不振など |
エラ(エラワン)は、緊急避妊薬として処方されることの多い中容量ピルです。
エラ(エラワン)の黄体ホルモン成分にはウリプリスタール酢酸エステルというものが使われています。
このウリプリスタール酢酸エステルには高い避妊作用や排卵を遅らせる作用があり、先ほどご説明したノルレボやレボノルゲストレルよりも、緊急避妊薬としての効果に期待できると言われています。
特に、ノルレボやレボノルゲストレルは性行為後72時間以内に服用しないと効果が薄れると言われていますが、エラ(エラワン)なら、性行為後120時間以内なら高い避妊効果が期待できます。
価格相場は9,000~16,000円ほどに設定されていることが多いです。
高容量ピル
高容量ピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン) と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが含まれているピルのうち、エストロゲンの配合量が50㎍より多いものを指します。
以前は緊急避妊などの用途で使用されていましたが、エストロゲンの配合量が多く、強い副作用があらわれやすいことから、現在処方されることはほとんどありません。
ミニピル
低用量ピルや超低用量ピルは黄体ホルモン(プロゲステロン) と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが含まれているのに対し、ミニピルは黄体ホルモン(プロゲステロン)のみが配合されています。
低用量ピルと違い、卵胞ホルモン(エストロゲン)による副作用の心配がないので、血栓症のリスクを大幅に軽減することができます。
そのため、血栓症リスクの高い、高血圧の方や喫煙習慣のある方でも処方することが可能なピルとなっています。
ミニピルの避妊効果は?他のピルと何が違うの?
黄体ホルモン(プロゲステロン) と卵胞ホルモン(エストロゲン)が含まれている低用量ピルや超低用量ピル違い、ミニピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)が含まれていません。
そのため、副作用のリスクは軽減されますが、一方で「ピルとしての効果が低いのでは?」と思われがちです。
しかし、ミニピルも十分にピルとしての効果に期待できます。
ミニピルを毎日継続して服用することで、低用量ピルと同程度の避妊効果に期待できます。
また、黄体ホルモンの作用により、子宮内膜症や月経困難症の改善にも効果的であると言われています。
ただし、低用量ピルと違い、ミニピルは休薬期間を設けずに、365日飲み続ける必要があるので、飲み忘れによるリスクが低用量ピルよりも高いと言えます。
また、ミニピルは現在国内での認可はされていないので、処方している病院やクリニックがあまりありません。
ミニピルの種類
セラゼッタ
黄体ホルモン成分 | デソゲストレル |
1シートの錠数 | 28錠 |
価格 | 3,000円前後 |
主な用途 | 避妊など |
主な副作用 | 不正出血・乳房の痛み・頭痛 など |
セラゼッタは、主に避妊目的で処方されるミニピルで、三世代・一相性に分類されています。
同じ三世代・一相性の低用量ピル「マーベロン」よりも副作用のリスク低いというのが魅力の一つです。
ただし、セラゼッタはミニピルなので、休薬期間を設けずに服用し続けることが必要となります。価格は3,000円前後に設定しているクリニックが多いです。
ミニピルにはセラゼッタの他に「ノリディ」「マイクロノア」「マイクロバル」「ノルゲストン」などの種類がありますが、現在クリニックで取り扱っているミニピルは、ほとんどがセラゼッタとなっています。
「トリキュラー」をピルのオンライン処方サービスで受取してみた!
低用量ピル「トリキュラー」をピルのオンライン処方サービスで処方してもらいました。
利用したオンライン処方サービスは「ピルくる」です。
ピルくるは、予約~問診のすべてをLINEで完結することができるので、クリニックに通う時間がない方や、ピルをすぐに受け取りたい方におすすめです。
お友達登録をした後、トーク画面に「問診を始める」という項目が出てきますので、そちらをクリック。
性別や妊娠中/授乳中、食べ物やお薬のアレルギーの有無など全8問に回答すると
「日時予約」の項目が出てきますので、そちらをクリックすると予約サイトに繋がります。
まめクリニックのオンライン予約サイトで、希望の予約日を選択した後は、患者情報を入力。
入力が終われば、予約完了です。
設定したメールアドレスに予約日時が送信されるので、念の為間違いがないか確認をしましょう。
予約が完了すると、LINEのトーク画面にも追加の基本情報の入力をします。
予約日時前までに、こちらも必ず返信するようにしましょう。
予約日時の変更、もしくはキャンセルを行う場合は、メールアドレスに届いた「予約完了メール」に記載されている「予約確認画面URL」にアクセスして手続きを行うか、まめクリニックへ直接お問合せをして変更しましょう。
予約した時間ちょうどにピルくるの担当看護師から電話がかかってきました。
こちらから電話をかける必要が無いので、電話料金等の負担はもちろんかかりません。
看護師の方から、ピルの処方までの簡単な流れの説明を受け、
「ピルの処方を希望する理由」などのカウンセリングがあった後に、ピルくるで取り扱いをしている各種ピルの種類や飲み方の説明を受けました。
希望するピルが特に無いことを伝えると、自分が「ピルの処方を希望する理由」などからおすすめのピルを提案してくださいました。
とても丁寧な説明で、安心感がありましたよ!
今回は、メインは避妊目的、さらに生理痛の緩和もしたいことを伝えると、「トリキュラー」がおすすめであることを教えてもらいました。
トリキュラーは、ピル内のホルモン量が自然なものに近づけられているため、副作用があらわれにくいのが特徴的だそうです。
処方してもらいたいピルが決まった後は、医師との診察になるため一旦電話は終了。
カウンセリングのみは大体「5分」ほどかかりました。
その後、数分経ってから再度医師の方から電話がかかってきました。
まずは、ピルを処方していい状態なのか健康状態などの再確認。
さらに、血栓症などピルを飲むことによるリスクの説明を受けた後に、ピル処方の流れになりました。
カウンセリング〜診察までの時間は大体10分程度。
実際にクリニックでの診察時間と内容にほぼ変わりませんでしたが、待ち時間や移動時間がかからないのでかなりの時間削減になりました。
診察が終了した後すぐに、ラインのトークに支払い先のURLが送られてきました。
私が診察を受けたのは、午前11:30頃だったのですが、当日支払いの場合本日発送が可能なこともLINEでお知らせしてくれましたよ。
私が実際に診察を受けたのは、午前11:30頃、その後当日中(16:00)までに支払いを済ませたところ、当日発送をしていただけたので、商品の到着は診察を受けた次の日の午前10:30頃でした。
私が住んでいるのは、東京23区ということもあったからかもですが、到着の速さに驚きました!
これなら普段は通院しているけど、ピルを切らしてしまってすぐに欲しい!と思っている方にもおすすめできると思います。
記事まとめ
オンラインで処方できるピルの種類や成分、効果の違いをご紹介していきました。
最後に、簡単にそれぞれのピルの特徴をおさらいしていきましょう。
※ピルの分類と特徴
ピルの種類 | 特徴 | 効果 | 注意点 |
---|---|---|---|
低用量ピル | エストロゲンの配合量が50㎍未満 | 避妊・子宮内膜症改善・月経困難症改善など | 毎日の服用が必要(休薬期間あり) |
超低用量ピル | エストロゲンの配合量が30㎍未満 | 子宮内膜症改善・月経困難症改善など | 毎日の服用が必要(休薬期間あり) |
中容量ピル | エストロゲンの配合量が50㎍ | 緊急避妊・子宮内膜症改善・月経困難症改善など | 副作用のリスクが高い |
高容量ピル | エストロゲンの配合量が50㎍より多い ※現在はほとんど利用されない | ― | ― |
ミニピル | エストロゲンが配合されていない | 避妊・子宮内膜症改善・月経困難症改善など | 毎日の服用が必要(休薬期間なし) |
アフターピル | 女性ホルモンの配合量が多い | 緊急避妊 | 性行為後なるべく早く服用しないと効果が薄い |
継続的な避妊や子宮内膜症・月経困難症の改善に効果的で、副作用のリスクが低いです。
ただし、毎日一回服用する必要があります。
子宮内膜症・月経困難症の改善に効果的で、副作用のリスクがより低いですが、避妊目的での服用は推奨されていません。
また、低用量ピルと同様に、毎日一回服用する必要があります。
緊急の避妊や子宮内膜症・月経困難症の改善に効果的ですが、女性ホルモンの含有量が多いため、副作用のリスクが高いです。
しかしその反面、飲み忘れによるリスクが低いと言われています。
低用量ピルと同様に継続的な避妊や子宮内膜症・月経困難症の改善に効果的です。
また、エストロゲンが配合されていないため、副作用のリスクが低いという特徴があります。
ただし、ピルの効果が低下するのが早いため、休薬期間を設けずに毎日一回服用する必要があります。
アフターピルは緊急避妊目的で使用されるピルです。
性行為後72時間以内もしくは120時間以内に服用することで高い避妊効果を得ることができます。
ただし、避妊効果は、毎日低用量ピルやミニピルを服用した場合よりも低いです。
ピルの効果やリスクの観点から見て、避妊目的の場合には低用量ピルやミニピルを服用することがおすすめです。
また、子宮内膜症改善・月経困難症改善目的の場合は保険適応になる場合が多いので、低用量ピル・超低用量ピル・ミニピルが処方される場合が多いです。
ただし、超低用量ピルやミニピルは、まだ国内で承認されていないものが多く、取り扱っているクリニックがあまり多くありません。
そのため、これらの用途でピルを使用したい場合は、まずは低用量ピルの服用を勧められる場合が多いカロ思います。
なお、ピルの価格(特に保険適用外のもの)については、クリニックにより大きく異なるので、本記事で掲示した価格相場よりも高くなることがありますのでご注意ください。
逆に、オンラインクリニックのまとめ購入や定期購入を利用した場合は、相場価格よりも安価に購入できる場合があるので、ぜひ活用してみてください。
ピルの服用を考えているけど自分に合ったピルが分からないという方は、ぜひ、本記事で紹介したピルの情報をもとに、自分に合ったピルを始めてみてくださいね。